この記事は 全enPiT Advent Calendar 2020 - Adventar の13日目の記事です。
enPiTがどういうものでこういう理由で素晴らしいよって話は若い人たちがしてくれていますが、ざっくりするとこんな感じ。
- enPiT: 今年度で終了となる文科省プロジェクトのこと
- 2012 - 2016年度 M1向け enPiT1 分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク
- 2017 - 2020年度 B3向け enPiT2 成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)
- 育成拠点の形成なので終わったあともしっかり自分たちで続けていくのを前提に予算が出ている
- 講義や演習、研究だけでは身につかない実践的な学習を大学でやる、という取り組み
- たとえばBizApp(の後半)やBizSysDでは学生たち自身が見つけた課題を解決するプロダクトを、学生チームで開発、プレゼンし、改善を繰り返していくというのをやっている
今回はenPiTとTDDワイワイ会の関係性について書きます。
私について
enPiT BizAppを修了した社会人です。
- 筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻 高度IT人材育成のための実践的ソフトウェア開発専修プログラム(高度IT専修)*1 修了生
- 1年間のプロジェクトをM1, M2で実施し、M2のプロジェクトで特定課題研究報告書を書けば卒業できる
- その代わり必要単位数が通常の修士課程の2倍ぐらいになっている
- enPiT1 BizApp 2期修了生
- BizAppはBizSysDの前身。2014年受講
- 上記高度ITコースではenPiT関連科目が必修科目
- M2では学生メンターもやった
- TDDワイワイ会 代表 *2
- AIIT enPiT 2019, 2020 社会人メンター
現在はここでWebエンジニアとして仕事をしています。
「TDD+モブプログラミングでワイワイする会(TDDyyχ)」とは
テスト駆動開発(TDD)とモブプログラミングをみんなでワイワイしながら体験し、ともに学ぼうというイベントです。TDDやモブプロ自体はチュートリアルとして最初に教えるものの、我々もすべてを教えることはできないので、運営も含めた参加者がそれぞれ学びたいことを学ぶきっかけにするというのが特徴だと思っています。なんなら誰も来ず運営だけになってもやってると思う。
水とコミュニティはタダという参加者が運営の努力にタダ乗りするという受益者負担の原則と真逆の現象が起きると勉強会は続かないんだよな。それでいうと #tddyyχ は「俺ら水飲むけど一緒に飲む? 飲み水は自分で持ってきてね」なので非常に健全である。予定はこちら https://t.co/SDfUZXKH8t
— Miho🍺Nagase (@miholovesq) 2018年5月10日
新型コロナウィルスが流行る以前まで、月1回程度東京で開催するほか、出張開催(函館・岩手・広島・北九州・沖縄)や産業技術大学院大学主催のenPiT夏合宿での講義としても開催していました。
運営としてはオンライン開催に価値があることを認めながらも、オフラインでワイワイすることにより価値をおいていたのでそのまま自粛していました。ちょっと落ち着いた頃合いを見計らって、参加者を絞ったり感染対策をするなどして Global Day of Coderetreat 2020 in #tddyyχ - connpass で久々の開催をしました。 *3
ここまでが長い前置き。
TDDyyχが生まれるまで
enPiTでは女性教員で構成されるWiTという女性部会があります。ここで、女子学生を集めてCoderetreatをやろうというイベントが何度か開催されていて、初回は2017年7月に開催されました。
もともとその前辺りからenPiT BizApp修了生で横のつながりつくろうよ、という名目でコミュニティを作り始め、Slackを立ち上げたりなんどかイベント*4をやっていたりするところでした。そこで関わりがあったメンバーも含めてCoderetreatのenPiT関係者枠に社会人メンターとして参加しています。
イベント自体は参加者全員をシャッフルして2人組を作ってConway's Game of lifeをペアプロで実装するのを毎回コードを捨てつつ6セットほどやるというものです。後半になってくると新しいことにチャレンジしてみよう!という流れもできていたところでモブプログラミングをやろう!という話になっていた気がします。Coderetreat自体はペアプロでGame of Lifeを実装するだけなのですが、アクティビティカタログといったチャレンジ項目のリストが用意されていてその中でTDDをやっていた気がします。もっというとこのイベントの前に永和システムマネジメントさんのコワーキングスペースをお借りしてGame of LifeをTDD+ピンポンで実装するというコソ練をやっていたので前提としてTDDはやっていたのかもしれません。
ちょうど2017年は、RSGT2017 Day1のKeynoteで『アジャイルコーチング』の原著者Rachel Daviesさんがモブプログラミングを紹介していて、その年のAgile JapanやDepOps Days Tokyoなどでモブプログラミングのブースができて界隈にモブプログラミングが流行っているころだったと記憶しています。*5
そこで一緒にやっていた私たちが「これは楽しいからもっとやりたい!」という声をあげて、産技大サテライトキャンパスの部屋を使わせてもらって、素振りする会をやりはじめました。この頃には次の人が実装する分のテストを落としてから交代するTDDワイワイ方式でやっていたようです。 その頃から「自分たちが勉強するための場」と位置づけていたので、パブリックに参加者を募集してやるのは結構ギリギリまで控えていました。
そのころちょうどCoderetreat for girls #2が開催予定だったものの、肝心の学生がほとんど集まらずに開催中止になるという事態になり暇になってしまった社会人参加者の受け皿として作ったのがTDDyyχ その1であり、それ以降定期開催されるようになっています。
というわけでTDDyyχはenPiTがなかったら生まれていないのでした。ちなみにenPiT以後、TDDyyχのありかたも変えないといけないという話はありますが、その話はまた今度。