はじめに
睡眠時無呼吸症候群の治療としてCPAPの使用を開始してから2年ぐらいたったのでまとめます。
こんな人に向けて書いています:
- 最近いびきがうるさいと言われて不安なひと
- 寝ても寝ても寝たりないと思っているひと
- そんなに太っているわけではないけど無呼吸の症状をみて自分と同じだと思っているひと
- 無呼吸らしいが治療ってどういう流れになるのか不安なひと
※医師ではなく完全に罹患者目線です。
睡眠時無呼吸症候群とは
詳しいサイトをはっておきます。
睡眠時無呼吸症候群に気づく・しらべる
自分の無呼吸に気づくのはだいたい以下のタイミングかと思います。
- 相部屋になった友人から「いびきがうるさくて寝られなかった」と言われる
- 試しにアプリで寝ているときの物音を録音したらすごいいびきだった
- 毎朝すごく身体がだるい
- 毎日昼頃に眠くなる
- もはや仕事中いつの間にか寝ていてナルコレプシーかと思う
単なるいびきであれば世の中にあるいびき対策グッズでなんとかなるものも多いです。
睡眠時無呼吸症候群として起きているいびきでは「呼吸が止まっている」ので息切れしているような声が出ます。
自分が治療開始する前は1時間に50回以上は無呼吸・低呼吸(呼吸が止まっているか酸欠状態かが1秒以上続く)になっていました。
酸欠になり、身体が「なんとかして呼吸させろ!!!」と身体に信号を出すので脳が全く休まらない結果上記のような症状が起きるようです。
自分は現在100kg前後の巨漢なので、無呼吸になるのもなんとなくわかると思うのですが、
やせ型なひとでも鼻や顎の骨格の問題で無呼吸が起きていることもあるので偏見を持たずに診察を受けてみてほしいです。
実際に睡眠時無呼吸症候群かどうかは受診しないと確定しないのですが、「自分の眠気が病的かどうか」を判別するセルフチェックである エプワース眠気尺度 というのがあります。こっちを先にやってみましょう。
ここにある ESS日本語版 調査票 をダウンロードして点数をカウントしましょう。(非営利目的なので登録しなくてよいと思います)
点数が11点以上であれば何らかの可能性で強い眠気が起きている可能性があるので診察を受けましょう。
診察を受ける
どこに診察にいくか大事ですが、いくつか病院検索があるのでこれで探してみましょう。
簡易検査・精密検査の実施可否が書いてあります。詳しくは後述しますが、こんな感じ。
- 簡易検査: 自分で検査キットを持ち帰って一晩装着して寝る
- 精密検査: 一晩寝ている様子を観察されたり、脳波計つけられて寝る、より詳細に病状を確認する
簡易検査で軽度〜重度だね、と判別されると精密検査になります。
上記のエプワース睡眠尺度で14点以上とか出ていると重症の可能性高くなるので、最初から精密検査のできるところにかかっておくと転院とか考えなくていいので楽だと思います。
自宅での簡易検査
おそらく病院でもエプワース眠気尺度を書けと言われて、11点以上だと簡易検査を勧められると思います。
- 病院でキットを受け取る
- 持ち帰って寝る前に装着
- のどセンサ・鼻センサとか指の血中酸素濃度をはかるセンサとか
- 一晩寝る
- キットを病院に返す
- 当日or後日説明
思い返すと鼻センサが結構くすぐったかったり翌朝鼻風邪っぽくてなかなか辛かった覚えがあります。
これにより自分が寝ている間どれぐらいいびきを書いていたり、無呼吸・低呼吸回数がわかります。
1時間あたり30回以上無呼吸・低呼吸になっていると睡眠時無呼吸症候群の重度と判定されるようです。
軽度の場合はよくわかりませんが、別の病気とかいびき対策グッズを勧められるかも知れません。
治療費はそこまで取られなかった記憶。3割負担で1万もいかないと思います。
場合によっては鼻の治療をするかも
睡眠時無呼吸症候群とよく一緒に言われるものとして、耳鼻科的原因による無呼吸があります。 自分の場合は
- 鼻中隔湾曲症
- 副鼻腔炎の鼻茸(あとで別の医師から好酸球性副鼻腔炎かも、といわれた)
- アレルギー性鼻炎
などを併発していて鼻の外科的手術をしました。
物心ついたときからあった片方の鼻の穴の通りが劇的に改善され、鼻風邪に悩まされなくなりました。
当時の主治医には「どれだけ無呼吸の治療をしても鼻が良くならない限り改善しないので鼻を先に治すべき」と言われました。
このときの治療費は高額療養費制度の限度額いっぱい+差額ベッド代1万ぐらいでした。
逆に上限いっぱいなので上記全部だいたい治療してもらえました。
自分の場合は若干の改善は見られましたがすべてを解決するまでには至らなかったので精密検査になりました。
精密検査
病院に泊まり、一晩寝ます。
脳波計をめっちゃつけられて、指もつけられていびきセンサもつけられてコードだらけになって寝ます。
自分は定時前退社→直接出社としましたが翌日はあんまり寝れなくて仕事になりませんでした。余裕をもってスケジュールしましょう。
自分が入院したところはカメラ映像も導入されていたので、自分の呼吸が止まって悶え苦しみながら身体を必死に動かして呼吸しようとする姿を見ることができました。
さっさとCPAPをもらいたかったので差額ベッド代多少かかってもいいから早く受けたい、としたら5万ぐらいかかった記憶です。
(後述の検査入院も含めて10万ぐらいだった記憶)
CPAP(持続陽圧呼吸療法)装置を導入する
精密検査で「あなたは重度の睡眠時無呼吸症候群です」と認められるとめでたく(?)CPAPの導入になります。
CPAPはこんな感じのやつです。家に持ち帰って使うことになります。
場合によっては圧力調整のために再度検査入院することになるかと思います
https://www.irasutoya.com/2015/09/cpap.html
このいらすとでは口まで覆っていますが実際は鼻を覆うことになります。
何らかの影響で呼吸が止まっているところに鼻から空気を送って気道を確保する、というしくみらしいです。
人によって喉のふさがりやすさが違うようで、自分はふさがりやすいためにこれが必要らしい。
これをやると
- 気道が確保されて世界が変わったように寝覚めがよくなる(コンディションによる)
- 鼻の奥が乾きまくってつらい(←加湿機能のある機種やオプションをつけてもらうと解決する)
- 空気が送られるのでお腹が張る
- 鼻から管が伸びているので寝相が辛くなる
- 枕元に器械をおかないといけないので寝具を工夫しないといけない
- 旅行先に持っていかないといけないので宿泊がおっくう
ということが起きます。
この装置は人工呼吸器と同じようなもので医師の許可をもらいながら使わなければならず
- 病院からのリース
- 1ヶ月に1度の診察が必須
- 3ヶ月以上診察しないと没収
という形態になります。
費用は1ヶ月5,000円弱かかります。
これによりだいぶ生きやすくなりました。あるのとないのとではだいぶ違います。つけ忘れると一日つらいです。
これが2年ほど続いています。
根本治療
肥満が原因の場合にはもちろん減量がすすめられますが、10kgやせて20%の人しか改善しないらしいです。
自分の場合は70kg以下だったときにはあまり顕著に症状が出なかったのでやせないとしぬってやつだと思います。
自分が通っている病院では3ヶ月に1度血液検査、そのたびに栄養士からの食事指導を入れられました。
ただCPAP導入前は運動する気力すら起きないぐらいだるくなってしまっていたのでCPAPを導入する意味はあったと思います。
最後に
金は掛かりましたが、鼻通りが解決し、睡眠の質がまともになってだいぶ生活しやすくなったのでやってよかったと思いながら生活しています。
「いびきがうるさい」「呼吸止まってたよ」と言われたり、仕事中に眠すぎて死にそうになっている人の参考になったら嬉しいです。